[JP] YOYOGI MORI: バーチャルリアリティーにおけるアバター服飾デザイン
株式会社典樹が運営する3Dアバター服飾ブランド「YOYOGI MORI」。 「安心して長く付き合えるブランド」を掲げ、魅力的なバーチャルウェアの制作を行う制作集団です。
今回は、YOYOGI MORIでMarvelous Designerを用いた3D縫製やアバターのセットアップを担当するデザイナーが、ファッションの制作における制作のこだわりやブランドの哲学を語ります。
アーティストとブランド紹介
Q. まずはご自身と「YOYOGI MORI」について紹介をお願いします。どのような活動をされていますか?
A. 「YOYOGI MORI」は株式会社典樹が運営する、3Dアバター服飾ブランドで様々なクリエイターとのコラボレーションによって、魅力的なバーチャルウェアの制作を行うサークル活動です。 私は文化服装学院を卒業後、在学中から関りのあった株式会社典樹へと入社しました。
現在は主にMarvelous Designerを用いた3D縫製を主軸に、アバターのセットアップや製品の制作進行などを担当しております。また個人的に現実の衣装作成や音楽活動なども行っております。
ブランドテーマと美学
Q. YOYOGI MORI の作品には独自の世界観やファッション性を感じます。
ブランドとして大切にしているテーマや美学を教えてください。

A. YOYOGI MORIが目指すのは、ユーザーから「安心して長く付き合えるブランド」として認知されることです。その実現のために、単なる3Dアバターの販売にとどまらず、継続的なアップデートやサポートを通じて、購入後も価値が高まり続ける体験を提供しています。 また、作品単体で完結させるのではなく、ブランド全体の世界観を一貫して表現することにより、「YOYOGI MORIの製品であること自体がステータスであり、安心の証」となるような存在を目指しています。
ブランドの理念として掲げているのは、「3Dアバターを大切に扱う文化を育てること」です。アバターを単なるデータではなく、自分の身体の延長として捉え、適正な価格設定と明確な利用規約を設けることで、ユーザーに安心感を提供し、同時にクリエイターが健全に活動できる土台を築いてきました。 今後も、ユーザーとクリエイターの双方に対して価値を還元しながら、「祖父母が孫にアバターを贈ることができる未来」という理想のビジョンの実現に向けて、活動を続けていきます。
VRChatにおけるファッションの意義
Q. VRChat上でファッションを作ることには、どんな魅力や意義を感じていますか?

A. 一服好きとしては、アパレルという長い歴史のある業界の中で、最先端でモノづくりを行っていると思えるところが好きです。バーチャルウェアという、今この時代だからこそ制作可能な服飾に可能性を感じています。
Marvelous Designerを用いた制作フローと工夫
Q. 普段の制作フローの中で、Marvelous Designer はどのように活用されていますか?
A. 【型紙制作と縫製】 型紙を製作し、縫い合わせた後はレイヤー機能、強化等を使用してザックリ完成形に近づけます。 今回のデザインはプリーツが多様されていたので、プリーツ機能を使用しました。縫い合わせていない部分は浮くので、タックなどで押さえて綺麗に見せています。


プリーツ機能やタックを活用した型紙制作の様子
【シミュレーションとシワの作り込み】 欲しいシワを作るために、設定や型紙を少しずつ変えながらシミュレーションをかけなおしますが、この時に部分固定やピン等を使用しています。 左右対称なシワ感で良い場合は、片方を作りこんでから、縫い代付近以外を部分形状保持して対称パターンを作ると便利だなと思っています。


ピンや部分固定を使用してシワを調整している様子
【完成形のディテール】 3Dの場合如何に「かっこいいシワ」が出来るかで、情報量や出来上がりの印象が変わってくるので、良く動きそうな部分などはしっかりと作りこんでいます。 個人的にMarvelous Designerのいいところは細かく素材感の伝わるシワが作れる部分だと思っていますし、いらないシワが出来てしまっても後から消せるので、一旦とにかくシワ感がかっこいい状態を完成形として作りこむことを意識しています。


完成した衣装のシワ感とディテール
チーム制作での役割とメリット
Q. YOYOGI MORIは少人数のチーム制作と伺っています。
プロセスのなかでMarvelous Designer が役立っている場面はありますか?
A. 小人数チームならではということであれば、それぞれの専門分野が活かしやすい点ですね。3Dモデラーがより服らしい良いシワを作ろうとするより、服が好きな人間がその部分を担当した方が良いものに出来ると考えています。 既存の3Dツールにあるスカルプト機能では表現するのが難しいような、生地感の差異やパターンによるシワ感を得られる点がかなり大きな利点ですね。 また、概念的な話ですが、実際の服の型紙を引くようにモデルの製作が出来るので、出来上がった製品に服としての説得力を持たせることができるのも素晴らしい点かと思います。
制作上の課題と解決策
Q. VRChat向けの服制作で、Marvelous Designer を使う際に難しかった点や、
それをどのように解決されたか教えてください。
A. VRChatに限った話であれば、慣習的にTポーズでの衣装作成を余儀なくされることが多いかと思いますが、その場合に袖山の高さが確保できずに、ジャケットやシャツなど肩のシルエットが大事な服飾の制作が難しかったです。YOYOGI MORIでは基準のポーズをAポーズにすることである程度見た目の美しさを解決しています。
また、実際の人間とアバターの体型を比較すると、アバターの方が極端にメリハリのある体型をしていることがあり、現実の感覚でパターンを作成すると不格好になってしまうことも往々にしてありました。その場合は、より細かくダーツをとってみたり、一部分だけに固定や強化を使用することで目的とする造形に近づけるようにしています。
今後の展望
Q. Marvelous Designer を使った今後の制作で挑戦してみたいテーマや方向性はありますか?
A. 現実のアパレルでは表現できないような製品に取り組んでみたいですね。現状だとまだ実際に制作できるものばかりなので、バーチャルだからこそ出来ることを追求したうえで、そこにMarvelous Designerだから製作可能なリアリティを上乗せして、現実には存在できないのに存在感のあるモノを作れたら最高だなと考えています。

VRChatにおけるアバター・衣装制作者へのメッセージ
Q. Marvelous Designer をこれから使ってみたいVRChat制作者に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。
A. 実際の服飾に触れたことが無いという理由で敬遠される方もいらっしゃるかと思いますが、Tシャツ等であれば前身頃、後ろ身頃、袖の三つの型紙だけで製作することができますし、Marvelous Designerの機能も作図と縫い合わせだけで完結できますので、一度触ってみてリアリティのあるシワ感を体験してみていただきたいです。 一つ作ってみてシミュレーションの生地を変更してみるだけでも楽しいと思います。
クレジット
アバター・衣装画像および動画:YOYOGI MORI BOOTHページ 「【VRC / VRM 対応3Dモデル】Haysblanks ver1.03」より
Marvelous Designer内アバター衣装制作画像:株式会社典樹
이 작업은 Avatar, Texture, Pattern, VR, VRChat 등의 기술로 제작되었습니다.
Marvelous Designer로 이와 같은 3D 의상·캐릭터 작업을 직접 만들어볼 수 있습니다.